かつて緑に覆われた平和な惑星だった火星
緑と恵みの惑星であったこの場所が滅びたのはなぜか?
火星の繁栄と、滅亡とその後
その昔、サヌルカヌイが誕生する前、 ハイパーボリア(現在の火星)は 穏やかな気候と水と緑に恵まれた惑星だった。 |
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争いを好まぬこの神の支配化で 『頭足人類』たちは平和に、のどかに暮らしていた。 |
彼らの時代は地球よりはるかに古く 彼らの安息は永遠に続くと思われた。 |
だが・・・ |
南の谷に住むあるひとりの頭足人類は 生まれつき身体能力が低く、 仲間を作る能力にも欠けていた。 彼は孤独であった。 そんな彼に悪魔がささやく・・・。 |
『王』の従者であり、種族中最大のトリックスター、 ナイアルラトホテップである・・・。 ナイアルラトホテップは力を求めていた彼に対し、 サヌルカヌイと融合させることで力を与えた。 彼はサヌルカヌイと同じ不死身の体を 手に入れた・・・。 |
力を得た彼はすぐさま行動に出た。 強大な力を持ってして仲間を制圧し 自分を王とした帝国を作ろうとしたのだ。 |
だがその行動はヴルトゥームの逆鱗に触れることとなった・・・。 |
ヴルトゥームの力は圧倒的で 彼はなすすべなく敗北する。 敗走した彼はナイアルラトホテップに さらなる助力を求めた・・・。 |
ナイアルラトホテップはサヌルカヌイという 謎の生命の存在を彼に教えた。 彼はすぐさま地球に向かい 2体のサヌルカヌイを引き連れて火星に戻った。 |
『ナグ』と『イェブ』と名づけられたこの2体の サヌルカヌイは火星の肥沃な大地ですぐさま 増殖を開始した。 恵み豊かで天敵のいないこの場所で サヌルカヌイはおおいに増えた。 ヴルトゥームはサヌルカヌイと戦うが あまりにも数が多すぎ、 深手を負って極地の洞窟に撤退。 彼は勝利したかに見えた・・・。 だが・・・。 |
大増殖したサヌルカヌイはもはや 彼の制御が効かなくなっていた。 あるいはもともと制御できる生き物では なかったのかもしれないが・・・ 大増殖したサヌルカヌイは あっという間に火星の すべての生き物と緑を食い尽くし、 何もかも無くなったのちに 地中で眠りについた。 緑と恵みの惑星だった火星が 赤茶けた砂漠(赤茶けた砂はすべてサヌルカヌイの糞) になるまでに要した時間は たったの3か月前後である |
サヌルカヌイ化してしまった彼は 死ぬこともできぬまま 永遠に不毛の砂漠をさまよう。 |
これが彼の望んだ 帝国だったのだろうか・・・ |
『ドゥ・クーオ』:
ハイパーボリアの頭足人類のひとり。
生まれつきいろいろな能力が不足している
いわゆる落ちこぼれ。
能力は低かったが
プライドは人一倍高かった。
ナイアルラトホテップの誘いに乗り
サヌルカヌイをハイパーボリアに持ち込み
星そのものを破滅させた。
『ドゥ・セリーオ』:
ドゥ・クーオの母親。
生涯息子の味方であった。
彼女が生きていれば
彼は悪魔の誘いに乗ることは
なかっただろう。